リフォームの仕上がりは「3つの軸」で見えてくる — 提案力・工事品質・仕上げの精度

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こんにちは、バルです。

先日、ちょっと前後する時期に2つの部屋でリフォームが終わったんですけど、仕上がりが全然違ったんですよ。

片方は、いつもお願いしてる業者Aさん。入居前チェックに行っても、ほとんど見るところがなくて、安心して任せられました。

もう片方は、別の業者さんでお願いしたケース。光の加減でちょっと見えるくらいの床のワックスムラが残ってたり、洗面台の排水を流したら水の流れが妙に遅くて、覗いてみたら異物(電動歯ブラシのヘッドの先っちょとか)が詰まってたり。「いやー、これはちょっとなあ」と正直思いました。

オーナーさんに上がる報告書には、どちらも「リフォーム完了」としか書かれません。でも実物は全然違うんですよ、これが。

この差って何なんだろう?と考えたときに、3つの軸で見えてきたんです。

  1. 提案力
  2. 工事品質
  3. 仕上げの精度

今日はこの3軸それぞれについて、実際に現場で見たことを書いていきますね。煽るつもりはないんですけど、事実は事実として書くので、業者選びの参考にしてもらえたら嬉しいです。

ちなみに、退去から次の入居までの全体的な流れについては、退去〜次の入居まで管理会社が裏でやってる9のことでまとめてるので、合わせて読んでもらうと業者選びの位置づけが分かりやすいと思います。

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目次

軸1:提案力

ひとつ目の軸は、業者さんの提案力です。

「言われた範囲だけやる業者」と「ここもやった方がいいですよ、と提案してくれる業者」の差なんですけど、これが長期で見ると本当に大きな違いになります。

業者Aさんの提案で助かった事例

業者Aさんは、こちらが気づかないような細かい劣化まで、しっかり拾ってくれるんですよ。

たとえば、扉のラッチ(ドアを閉めたときに引っかかる部品ですね)が劣化してて、「これ、もう少し使ったら壊れますよ」って教えてくれる。今すぐ壊れるわけじゃないんだけど、入居後に壊れると入居者さんから「扉が閉まらないんですけど」ってクレームが入って、対応に追われることになる。これを退去のタイミングで先回りで交換しておけば、入居後のトラブルが確実に減るんですよ。

あとは、見栄えの提案ですね。

キッチンの下の扉って、長年使ってると中の木が水を吸って膨らんで、角の継ぎ目から割れてきて、中の木が見えてきちゃうことがあるんです。これ、全部取り替えると結構な金額になるので、オーナーさん的には「まあ、まだ使えるならこのままで…」となりがち。

でも業者Aさんは、「樹脂製のL字アングルみたいな部品で、角を上から隠せますよ」って提案してくれるんです。少ない費用で、見栄えだけはちゃんと直せる。こういう発想って、僕も最初は全然なかったんですよ。業者Aさんと一緒に仕事するようになって、「ああ、こういう手があるんだ」って、こっちのリフォーム提案の引き出しも増えました。

他にも、パッキンの黄ばみを交換しておくとか、壊れそうなところを先に見つけてくれるとか、本当にこまめに見てくれます。

提案がない業者さんで困ったこと

逆に、提案がない業者さんだと、こんなことが起こります。

クロスの汚れを見落としてて、「ここも一緒に張り替えた方が良かったんじゃない?」と後から気づくケース。終わってから気づいても、もう一度業者を入れるのはコスト的に難しいので、そのまま募集に出すことになる。結果、内見の印象がちょっと落ちる。

あとは、床のワックス剥離ですね。汚れてはないんだけど、表面のワックスが剥がれてきてて、クリーニングしても床がうっすら汚く見える状態。これ、業者さんが事前に気づいて「ワックスかけ直しましょう」って提案してくれてれば防げる話なんですけど、提案がないと放置されちゃう。

一番ヒヤッとするのが、水道のパッキン劣化です。

入居前チェックで水を流したら水漏れしてた、みたいなことが時々あります。パッキンって、しばらく使ってないと乾いてカチカチになって、急に水を通すと漏れることがあるんですよ。本来はリフォームが終わったタイミングで、業者さんが現地に行って「水を流して、漏れがないか確認する」のがベストなんですけど、それをやってない業者さんだと、入居前チェックで初めて発覚する。

僕はもう癖で、予備のパッキンとモンキーレンチを常備してて、その場でパパッと替えちゃうんですけど、これって本来は業者さん側がやっておくべき仕事なんですよね。業者Aさんがやってくれたリフォームで、入居後や入居前チェックで水漏れがあったことは、ほぼないです。

バルのつぶやき:提案力って、結局「次に住む人のことを業者さんがどれだけイメージできてるか」なんですよ。それができる業者さんは、僕らの仕事を半分背負ってくれてるようなものです。


軸2:工事品質

ふたつ目の軸は、工事そのものの品質です。

これは「ぱっと見」では分かりにくいんだけど、よく見ると確実に差が出る部分。そして、半年〜1年経った頃に問題が表面化してくる部分でもあります。

北摂の物件で見たワックスムラ

冒頭でちょっと触れたワックスムラ、これがまさに工事品質の話なんですよ。

正直、光の加減で見えるレベルのものではあるんです。電気をつけて部屋の真ん中に立てば、そんなに目立たない。

でも、問題は内見のタイミングなんですよね。

部屋に入った瞬間って、まだ電気をつけてないから、窓からの自然光だけで部屋を見ることになります。その光の入り方によっては、ムラがうっすら浮き上がって見えちゃうんです。入居者さんが部屋に入った第一印象で「あ、なんか床が汚いな」って思われると、もうそこから挽回するのが大変。

入居後にクレームになるレベルじゃないんですけど、案内段階での印象を確実に落とすので、これは結構痛いんですよ。

飛び込み業者さんでやらかしたケース

一度、飛び込みで営業に来た業者さんを試しに使ってみたことがあって。これがまあ、結構ひどかったです。

クッションフロアとフロアタイルの張り替えをお願いしたんですけど、

  • フロアタイルの継ぎ目から下地の糊がはみ出てて、拭き取られてない。クリーニング後なのに汚らしい
  • 巾木のヨレが目立つ
  • ソフト巾木が剥がれてきてて、入居前チェックの時点でペラペラしてる(糊付けが甘かったみたいです)
  • 浴室の半透明ガラス扉に水垢が残ってる
  • 一番ひどかったのがエアコン。高圧洗浄を依頼したはずなのに、試運転で回したら黒いほこりのカスが噴き出してきた

エアコンの件は、さすがに営業に来た方に文句を言いましたね。「これ、本当にやったんですか?」って。

業者Bさんのちょっと雑なところ

ここでひとつ、難しい話をします。

長年お付き合いしてる業者さんで、業者Bさんという方がいるんです。性格が悪いわけじゃない、むしろ良い人。修繕対応は本当に早くて、夜中にトラブルが起きても対応してくれる頼もしさがある。

ただ、リフォームの仕上げが、ちょっと雑なんですよ。

たとえば、床のワックス塗り直しをお願いしたとき、ワックスが巾木に飛んじゃってて。巾木の色が濃いめだったから、白いワックスのシミがめっちゃ目立つ。結局、僕が入居前チェックで全部拭き取らないといけませんでした。

これ、業者Bさん自体じゃなくて、業者Bさんが使ってるクリーニング業者さんがちょっと雑なんですよね。一人親方さんに発注したあと、実際の現場は複数の職人さんが入るので、その下流のクオリティが揺らぐと、こういうことが起こります。

業者Bさんとの関係をどうするか、っていう話は後で書きますね。

半年〜1年後に出てくる問題:クロスのジョイント

工事品質の話で外せないのが、クロス(壁紙)のジョイント処理です。

クロスを貼った直後は、どの業者さんでもそれなりにきれいに見えるんですよ。でも、ジョイント処理が甘いと、半年〜1年経って乾燥していくにつれて、隙間が目立つようになってくる。

業者Bさんが使ってるクロス業者さんが、ちょっとこのジョイント処理が雑で。2〜3年住んで退去になった部屋を見ると、クロスのジョイントがめっちゃ目立ってて、「あー、これは張り替えないと次の入居に出せないな」となるケースが多いです。

これ、リフォーム直後には絶対に分からないんですよ。1〜2年後に答えが出る。だから工事品質って、引き渡しの時点で完璧に見えても、本当の品質は時間が証明するんです。

バルのつぶやき:工事品質って、リフォーム直後じゃなくて、半年後・1年後に差が出るんですよ。だから安かろう悪かろうで業者を選ぶと、結局あとで高くつくんです。


軸3:仕上げの精度

みっつ目は、工事が終わったあとの「最後の仕上げ」の精度です。

清掃、最終チェック、不備の自主発見。ここをサボる業者さんが、実は一番多いんですよ。

北摂の物件の排水詰まりとカビ

冒頭で触れた排水の詰まり、あれは前の入居者さんが落とした異物(電動歯ブラシのヘッドの先っちょ)の可能性が高いんですけど、本来は業者さんがリフォーム後に何回か水を流して確認していれば気づけた話なんですよね。

水の流れが明らかに遅かったので、ハンガーを伸ばした針金とかを突っ込んで、いろいろ引っ張り出しました。これ、業者さんが最後にチェックしてれば、こっちが現場で格闘する必要なかったんですよ。

それと、同じ物件でもう一つ気になったことがあって。

キッチンの扉や引き出しの中が、めっちゃカビてたんです。今までそんなこと一切なかったし、水漏れが発生してたわけでもないのに、戸棚の中がカビだらけで、ジメッとした状態。

たぶん、クリーニング時の水気が拭き取られずに残ってて、それで湿気がこもってカビたんじゃないかなと。引き出しを開けて見れば気づくはずなんですけど、最終チェックでそこまで見てない、ということなんでしょうね。

これも結局、僕が全部拭き取って、換気して、なんとかしました。

指定業者さんのクリーニングが微妙な話

オーナーさんがリフォーム業者を指定するケースもよくあります。あるオーナーさんが指定する業者さんが使ってるクリーニング業者が、ちょっと微妙でして。

  • キッチン周りの油はね、茶色いシミがそのまま残ってる
  • クリーニング直後のはずなのに、床をクイックワイパーで拭いたら結構黒くなる
  • ワックスを最後に塗るんですけど、そのワックスに髪の毛が落ちてる(白い床だと特に目立つ)

ここで何が起きてるかというと、「テープ貼っとかないと見てくれない」状態なんですよ。こっちが事前に「ここを綺麗にして」って指示を貼っとかないと、自主的にチェックして直してくれない。

結局、入居前チェックで僕が拭き取りしたり、目立つ汚れには修正液で隠したり、髪の毛は指でカリカリして取ったり。本来やらなくていい作業を、毎回やってます。

業者Aさんの引き渡しはどう違うか

逆に、業者Aさんの引き渡しはどうかというと、

  • 工事完了時に写真を送ってくれる(「ここまで終わりました」が見える)
  • 親方が必ず最終チェックに現場に行く
  • もし不備が見つかったら、「ここがこうなってたので、もう1日ください」と先にこちらに連絡してくれる

これだけのことなんですけど、これがあるかないかで、管理会社側の手間が全然違うんですよ。業者Aさんからの引き渡しなら、僕の入居前チェックは「念のための確認」で済む。指定業者さんからの引き渡しは「実質的な最終仕上げ」になっちゃう。

バルのつぶやき:仕上げの精度って、業者さんの「自分の仕事に責任を持つ姿勢」が一番出るところなんですよ。ここが甘い業者さんは、たぶん他もどこか甘いです。


なぜこの3軸で差が出るのか

ここまで読んでもらって、お気づきかもしれないんですけど、3軸ってそれぞれ独立してるようで、実は繋がってるんですよ。

提案力がある業者さんは、たいてい工事品質も丁寧で、仕上げの精度も高い。 逆に、仕上げが雑な業者さんは、工事品質も提案力もどこか甘い。

結局のところ、業者の品質って、親方(一人親方が多いです)の生真面目さで決まるんですよね。

親方が「自分の仕事に責任を持つ」タイプの人だと、どの工程でも手を抜かないし、下請けに任せた部分も最後に自分で確認する。親方が「とりあえずやったらOK」というタイプだと、どこかでズレが生まれて、それが3軸のどこかに出てくる。

職人さんの腕の話じゃなくて、親方の姿勢の話なんです、これって。


業者を「切る」じゃなくて「使い分ける」という発想

さっき業者Bさんの話を出しましたけど、ここで一つ大事な視点があって。

業者Bさんは、リフォームの仕上げは雑です。これは事実。

でも、修繕対応はめちゃくちゃ早いんですよ。「水漏れしてる」って連絡したら、その日のうちに駆けつけてくれる。これは業者Aさんでも対応できないスピード感です。

じゃあ、業者Bさんを「ダメな業者」として切るべきかというと、僕はそうじゃないと思ってます。

仕事の振り方を変えればいいんですよ。

  • リフォーム工事 → 業者Aさんに集中(仕上げの精度が必要)
  • 緊急の修繕対応 → 業者Bさんに依頼(スピードが必要)

こうすると、業者Bさんも「自分の得意領域で頼りにされてる」と感じてくれるし、こっちも安心して頼める。

業者さん全員に「全工程で最高品質」を求めるのは、現実的じゃないんです。むしろ、各業者さんの得意領域を見極めて、適材適所で仕事を振り分けるのが、管理会社としての腕の見せどころだと思ってます。

ちなみに、業者Aさんとの関係は、メールやLINEだけの事務的なやり取りじゃ続かないと思ってて。

たまに電話して、現場の話を共有したり、たまには一緒に飲みに行ったり。事務的じゃなくて、人と人として信頼関係を作る努力をしてます。業者Aさんとは結構仲良くさせてもらってて、ここまでの関係になるのは珍しいかもしれないですけど、最低限「電話する」くらいはやってます。

バルのつぶやき:「ダメな業者を切る」より、「業者の得意領域を見極めて仕事を振り分ける」方が、長期的には効きます。


オーナーさんから見ると、全部「リフォーム済み」に見える問題

ここが、この記事で一番伝えたいところです。

オーナーさんに届く報告書には、「リフォーム完了」としか書かれません。3軸のどこに差が出ているかは、報告書からは読み取れないんですよ。

  • 提案力のある業者さんが入った部屋
  • 工事品質が雑な業者さんが入った部屋
  • 仕上げの精度が低い業者さんが入った部屋

全部、報告書の上では「リフォーム完了」になります。

そして、3軸の差は、3年後・5年後にじわじわと積み上がっていく。

提案力のある業者さんが入った部屋は、入居後のクレームが少ない、長期入居されやすい、退去時の劣化が少ない。 工事品質が雑な業者さんが入った部屋は、半年〜1年でクロスのジョイントが目立ちはじめ、追加工事が必要になる。 仕上げの精度が低い業者さんが入った部屋は、入居前後で細かいトラブルが頻発する。

これ、オーナーさんが直接現場を見ない限り、絶対に見えないんですよ。


締め:業者選びと品質判断は、管理会社の重要な仕事

業者の品質を3軸で見極めて、

  • 良い業者さんを見つけて、長期的にお願いできる関係を作る
  • 雑な部分のある業者さんは、得意領域に絞って使い分ける
  • 明らかに合わない業者さんは、徐々に仕事の振り分けを減らしていく

これって、地味だけど管理会社の重要な仕事の一つなんですよ。

オーナーさんとして、リフォームの仕上がりに違和感を感じたことがあるなら、それは管理会社が業者選定にどれだけ関わってるかの差かもしれません。「いつも同じ業者で大丈夫ですか?」「他の業者と比較したことありますか?」って一度聞いてみると、管理会社の姿勢が見えると思います。

管理会社選びの判断軸については、良い管理会社を見極める10の質問でもまとめてるので、合わせてどうぞ。

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それでは、また。

バルでした。

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この記事を書いた人

不動産業界歴約15年。仲介8年→現在は賃貸管理・リーシングがメイン。古い物件をリフォームで蘇らせて賃料アップを狙うのが一番の生きがい。
管理の現場で「オーナーさん、それ知らないと損してますよ…」な場面に遭遇しすぎて、このブログを始めました。
保有資格
宅建士/二級建築士/賃貸不動産経営管理士/賃貸住宅メンテナンス主任者/消防設備点検資格者/管理業務主任者

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