玄関のクロスをグレーにしたら、張り替え周期が延びた話|管理会社員のちょっとした工夫

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こんにちは、バルです。

今日はちょっと、普段あんまり表に出てこない話をしようと思います。クロスの話です。壁紙の。

「え、クロス?そんなの管理会社と業者さんに任せてるし、白ければいいんじゃないの?」

——はい、オーナーさん。その気持ち、めちゃくちゃわかります。というか、僕も管理会社に入ってしばらくは、何の疑問も持たずに「退去出ました→はい、量産クロスで全面真っ白」っていう定型フローを回してました。業者さんから上がってくる見積もりも「量産クロス ○㎡」って一行あるだけで、それを右から左に流してただけなんです。お恥ずかしい話なんですが。

でもですね、ある時ふと気づいたんです。これ、オーナーさんのお金の話だな、と。

ここで一つ、大事な前提を共有させてください。今の量産クロスって、実は白だけじゃないんです。色付きのグレーも、木目調も、柄物も、ちょっとしたアクセントクロスっぽいやつも、全部「量産クロス」のカテゴリに入ってて、真っ白なやつと同じ単価で張り替えられるんですよ。

つまりですね。同じ値段、同じ工事で、選べる色と柄はたくさんあるのに、なぜか現場では「とりあえず白」が量産されてる。これ、もったいないと思いませんか?

今日は、僕が現場でウロウロしながら辿り着いた「ちょっとだけ考えたクロス選び」の話をします。業界あるあるに若干ツッコミを入れながらいくので、気楽に読んでください。

目次

「白=正解」って、ちょっと疑った方がいいんです

断言します。白クロスは、コスパが悪い

いや、もちろん白が悪いわけじゃないんです。清潔感は出るし、内見の印象もいい。それは間違いありません。でも、白って、汚れも傷も色あせも、全部目立つ色なんですよね。

玄関先に黒い靴跡がついた。白だと目立つ。
キッチン横の壁に油が跳ねた。白だと目立つ。
5年経って少し黄ばんできた。白だと目立つ。

全部目立つんです、これが。

で、目立つとどうなるか。オーナーさんも管理会社も「あ、これ張り替えたいな」ってなるんですよね。結果、張り替え周期がどんどん短くなって、原状回復費が積み上がっていく。このループ、気づいたら結構な金額になってます。

さっきも書いた通り、量産クロスの中には白以外の選択肢がたくさんあって、しかも単価は同じ。業者さんにとってはパターンが増えて少し手間かもしれません。でも、その”ちょっとの手間”を飛ばして脳死で白を選んでしまうと、結局そのツケはオーナーさんに回ってくる。これ、僕が一番モヤモヤしてるポイントなんです。

「業者さんにお任せ」じゃなくて、「ここはこうしたい」って意図を持って選ぶ。それだけで、5年後・10年後の原状回復費が全然変わってきます。というわけで、僕が現場でやってる「3つの鉄則」を紹介していきます。

鉄則その1:玄関は、濃いめのグレー一択

これはもう、ほぼ必ずと言っていいほどやっています。玄関周り、濃いめのグレー。

「え、玄関暗くならない?」——なります。正直、なります。でも、それを補って余りあるメリットがあるんです。

玄関って、実はめちゃくちゃ汚れる場所なんです

ちょっと想像してみてください、オーナーさん。入居者さんが玄関で何してるか。

靴を履く時に、バランス崩して壁に手をつく。荷物をガサッと持って帰ってきて、壁に擦れる。靴の黒いゴムが擦れて筋がつく。油汚れっていうより、なんかこう、黒いモヤモヤした汚れと細かい傷がどんどん蓄積していく場所なんですよね。

これを白クロスで受け止めると、もう悲惨です。キャンバスに絵を描かれたみたいに全部浮き出る。退去立会いで玄関を見るたびに「あーこれは張り替えだな……」ってなる。

でも、濃いめのグレーだと、これが驚くほど目立たないんです。多少の黒い擦れ跡も、ちょっとした傷も、グレーの中に溶けていく。張り替えずに、あと1サイクル延命できる。これだけで原状回復費が変わってきます。

もう一つ、地味にすごい副産物があるんです

ここからが僕が一番伝えたい話なんですけど。

古い物件、オーナーさんもお持ちじゃないでしょうか。築20年、30年のやつ。ああいう物件って、クロス以外の設備——キッチンのフレーム、浴室のリモコン、廊下に出てる給湯器のパネル、建具のフチ、パッキン——こういうところが、全部じわじわ色あせてるんですよね。もともと白だったはずなのに、ちょっと黄ばんで、ちょっとくすんで。

ここにですね、ピカピカの真っ白なクロスを貼ると、周りの設備が全員”お疲れ様です”状態になるんですよ。対比で浮き彫りになっちゃう。入った瞬間に「あ、この部屋、設備古いな」ってバレます。第一印象、完全に終わり。

でも、濃いグレーを貼ると、不思議と調和するんです。黄ばんだリモコンも、色あせた建具のフチも、グレーの落ち着いたトーンの中でそんなに目立たなくなる。パッと見の印象がぐっと整います。

汚れ対策と、設備の粗隠し。一石二鳥なんです、玄関グレーは。

鉄則その2:居室は白。「ギャップ設計」で狭い部屋を広く見せる

「じゃあ全部グレーにしたらいいじゃん」

——ダメです。これ、絶対ダメ。

ここで効いてくるのが、ギャップ設計っていう考え方なんです。僕が勝手に呼んでるだけなんですけどね。

玄関・廊下は濃いめのグレーで落ち着いた雰囲気。そこから一歩、居室のドアを開けた瞬間——バーン!と真っ白な空間が広がる。この落差が、効くんです。

狭い1Kでも、この視覚のギャップで「あ、意外と広い!」って感じる。脳が錯覚するんですよね。暗いトコロから明るいトコロに出ると、実際の広さ以上に開放感を感じる。心理効果ってやつです。

内見って、最初の3秒で決まるって言われてるじゃないですか。その3秒で「おっ、広いな」って思ってもらえるかどうか。ここで勝負がついちゃうんですよ、オーナーさん。

同じ1Kで、同じ家賃で、同じ量産クロスを使ってるのに、色の配置一つで内見の印象が変わる。これ、入居付けにも直結する話なんです。原状回復の話から入居付けの話まで繋がるって、なかなかコスパいいと思いませんか?

鉄則その3:天井は木目調で「塩漬け防止」

最後、天井の話です。オーナーさんに質問させてください。

お持ちの物件の天井、最後に張り替えたのいつか覚えてますか?

……覚えてないですよね。僕も自分で管理してる部屋ですら、正直パッと出てこないやつがあります。それくらい、天井ってみんな張り替えないんです。

なぜかというと、天井は汚れないから

そりゃそうなんですよね。触らないし、擦れないし、油も飛びにくい。だから張り替える理由がない。でもここに落とし穴があるんです。

汚れないから張り替えない。張り替えないから、10年前、15年前のちょっとダサい柄がずーっと居座り続ける。壁はどんどん新しくなっていくのに、天井だけ時が止まってる。なんかちょっと気持ち悪い、昔の柄の白クロスがずっと頭の上にある状態。これ、意外と多いんです。

そして「照明焼け」という厄介な敵

もう一個、天井問題があります。照明焼け。

天井照明をつけてると、照明の周りがじわじわ茶色くなっていくんですよね。あれ、見栄え悪いんです。内見の時にパッと見上げられたら「うっ」ってなるやつ。

でも、それだけのために全然汚れてない天井を全面張り替えるの、もったいないじゃないですか。天井のクロスって面積が広いから、全面張り替えると結構な金額になります。照明焼けのシミ1箇所のために何万も使うの、ちょっと釣り合わない。

だから、木目調なんです

僕が最近よくやってるのが、量産クロスの木目調を天井に持ってくるやり方。

これ、めちゃくちゃ合理的なんですよ。

  • 照明焼けの茶色いシミが、木目の中に溶けて目立たない
  • 昔のダサい白柄みたいな”時代遅れ感”が出ない
  • 壁が白で単調なところに、天井で変化がつくから、ちょっとおしゃれに見える
  • 見上げた時に「おっ」となる

結果、次の張り替えまでの期間が数年単位で延びます。これ、地味ですけど効くんです、長期的に見ると。

しかも繰り返しになりますが、木目調の量産クロスも、真っ白な量産クロスと同じ単価。選ぶか選ばないかの差だけなんです。

クロス選びって、管理会社のセンスが出るんです

ここまで読んでいただいてありがとうございます。長々と語ってしまったんですが、言いたいことは一つだけ。

同じ量産クロスで、同じ単価なのに、ここまで考えてるかどうかで全然違う。

もちろん、業者さんからしたら「色変えるとパターン増えて面倒くさい」っていう本音はあると思います。全部真っ白で統一した方が発注もラクですからね。でも、それで損するのって結局オーナーさんなんです。張り替え周期が短くなって、原状回復費が積み上がって、入居付けの印象も弱くなって。

だからこそ、「業者さんにお任せ」でも「管理会社にお任せ」でもなく、オーナーさん自身が”ここはこうしたい”っていう意図を持つことが大事なんです。全部把握する必要はありません。ただ、発注の時に一言添えられるかどうか。それだけで5年後の物件の状態が変わってきます。

ちなみにですね、原状回復費って、管理会社や業者によって見積もりの幅がかなり大きいジャンルなんです。このあたりはガッツリまとめたい内容なので、別の機会にちゃんと書きますね。気になるオーナーさんはブログをブックマークしておいてください。

次の原状回復発注、ちょっとだけ見積もりを覗いてみてください

最後にオーナーさんにお願いがあります。

次に退去が出て、管理会社から原状回復の見積もりが上がってきたら、「クロス」の欄をちょっとだけ覗いてみてください。そして、もし「量産クロス 全面張替」って一行だけ書いてあったら——担当者さんにこう聞いてみてほしいんです。

「玄関も居室も天井も、全部同じ白ですか?」

これ、管理会社のセンスを見極める、かなりいい質問だと思います。「はい、全部白です」で終わる担当者さんなのか、「いや実は玄関はこう考えてて……」って返してくる担当者さんなのか。ここに、結構な差が出ます。

良い管理会社を見極めるポイントって、こういう細かいところの積み重ねなんですよね。このテーマは別記事でもっと踏み込んで書いてるので、よかったらそちらも覗いてみてください。

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クロス一枚で、オーナーさんのお財布も、入居者さんの第一印象も、次の入居付けも変わります。僕は、そこ、手を抜きたくないんです。

それでは、また次の記事でお会いしましょう。バルでした。


オーナーさんに一つ質問です。今の管理会社、感覚で「まあいいかな」と思っていませんか?

僕がnoteで書いた有料記事では、管理会社を10項目・40点満点で採点できる設計にしています。採点スプレッドシートも特典でつけているので、読み終わった後すぐ手を動かせます。

「感覚じゃなくて数字で判断したい」オーナーさんに、特に読んでほしい内容です。

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この記事を書いた人

不動産業界歴約15年。仲介8年→現在は賃貸管理・リーシングがメイン。古い物件をリフォームで蘇らせて賃料アップを狙うのが一番の生きがい。
管理の現場で「オーナーさん、それ知らないと損してますよ…」な場面に遭遇しすぎて、このブログを始めました。
保有資格
宅建士/二級建築士/賃貸不動産経営管理士/賃貸住宅メンテナンス主任者/消防設備点検資格者/管理業務主任者

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